相続人が誰もいない

被相続人に相続人が誰もいないときに必要な手続き

相続人が誰もいない

被相続人(死亡した人)に相続人となる配偶者、子(孫等を含む。)、親(祖父母等を含む。)、兄弟姉妹(甥・姪を含む。)が誰もいないと、『相続人がいない相続』となります。

これは相続人になるべき人が先に死亡してしまっている場合だけでなく、相続人全員が相続放棄をしてしまって結果的に相続人がいなくなる場合などが考えられます。

相続人が不存在の場合、被相続人が遺言書を遺していれば遺言書に書いているように財産を処分します。

相続人が不存在で遺言書もない場合、または遺言書があっても一部の遺産についてしか書いておらず遺産が残る場合、遺産は最終的に国庫に帰属します(国のものになります)。

ただし、最終的に国庫に帰属されるとしても放っておけばよいのではなく、それなりの手続きを行う必要があります。

「被相続人に相続人がいない」ということを法的に成立させ、被相続人の財産と借金を精算して、最終的に残った遺産が国庫に帰属されるのです。

ただし、相続人以外の人で被相続人の身上看護をした者等がいる場合、国庫に帰属させる前の段階で「相続財産分与の請求」の手続きを行い、家庭裁判所が分与を認めてくれれば遺産を譲り受けることができます(詳細は「特別縁故者」を参照)。

相続人が不存在のときの手続き

被相続人に相続人がいないような場合は、次のような手続きを行います。

  1. 相続財産の処分が決まるまで財産を管理する相続財産管理人を選任するために、家庭裁判所に『相続財産管理人の選任申立』を行う
  2. 家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、相続財産管理人が選任されたことを官報で公告する(公告期間:2ヶ月)
  3. 被相続人の債権者・受遺者は相続財産管理人に届け出るように『相続債権者受遺者の請求申出の催告』を官報で公告する(公告期間:2ヶ月以上)
  4. 相続人がいれば相続財産管理人に申出するように『相続人捜索の公告』を行う(公告期間:6ヶ月以上)
    公告期間中に申し出がなければ法的に相続人の不存在が確定
  5. 必要に応じて引き続き特別縁故者の手続きを行い、最終的に残った遺産が国庫に帰属する

言葉だけでは分かりにくいので、図にしてみますす。

相続人が不存在のときに必要な手続きの流れ

相続財産管理人

相続財産管理人は、相続人が不存在の相続のときに家庭裁判所により選任される人のことです。一般的には弁護士や司法書士等が選ばれます。

相続財産管理人は、上の図のB相続債権者受遺者の請求申出の催告、C相続人捜索の公告、E特別縁故者へ遺産の引渡し、F残余財産は国庫へ帰属等の手続きを行います。

申立人 ・被相続人の利害関係人
(相続放棄をして相続人でなくなった人、被相続人の世話をしていた人、被相続人の債権者等)
申立先 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
裁判所の管轄区域(裁判所HPより)
必要な費用 ・収入印紙800円
・官報公告料3,670円
・裁判所から書類を送付するときに必要な切手
(各裁判所で確認)
必要な書類 ・申立書(記載例(裁判所HPより)) … 1通
・被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本 … 各1通
・被相続人の住民票の除票 … 1通
・申立人、相続人全員の戸籍謄本 … 各1通
・相続人全員の相続放棄申述受理証明書
(相続放棄により相続人が不存在になった場合)
・利害関係を証する資料
・相続関係図
・財産目録
・不動産登記簿謄本 … 1通
※場合によっては、この他にも書類を要求されることもある

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